ミクロフィラリア注入攻撃
フィラリア症(犬糸状虫症)
【病原体は】
病原体は、線虫類で細長い糸状の寄生虫です。
一般的に犬の病気として知られているのは、犬糸状虫ですが、
他にも人体寄生性のパンクロフト糸状虫、
マレー糸状虫、回旋糸状虫(オンコセルカ)などがあります。
【死亡率は?】
放置すると死亡率が高いですが、
現在は治療薬も発達し早期発見でかなり改善されています。
【主な媒介者は?】
アカイエカ・トウゴウヤブカ・ヒトスジシマカなどの吸血昆虫です。
まず、フィラリアに感染している犬に蚊が吸血します。
その時、蚊が血だけではなく
フィラリアの赤子(ミクロフィラリア)も一緒に吸い、
蚊自体がフィラリアに感染します。
そして蚊の体内で成長するミクロフィラリアが、
感染能力を持ったフィラリアに成長します。
その後、再び蚊が犬や人を吸血し、
血管内にミクロフィラリアを注入します。
【主な症状は?】
慢性症の場合
フィラリア線虫が長期間心臓に寄生するため、
循環器系に色々な障害が生じます。
まず肺動脈に寄生し咳が出ます。
その後は肝硬変を起こし、心不全に至ります。
最後に水がたまり、肺水腫と腹水を起こし死に至ります。
急性症の場合
多くの線虫が血管内に詰まり、
塞栓症(そくせんしょう)に陥ります。
血管が詰まり血液を流そうと血球が頑張りすぎて壊れていきます。
すると血尿を生じ、放置すると短期間で死に至ります。
【ワクチン接種について】
現在、一定条件を満たした時のみワクチンを使用しますが、
このワクチンは治療として使い予防では使わないそうです。
【これが大事】
① 媒介者であるカの対策を行いましょう。
② フィラリアはとにかく予防が大切です。
治療薬は優れていますが、危険も伴います。
全ての犬が完治するわけではありませんので、
勘違いしないようにしましょう。