日本人ほぼ全員感染
日本人のほぼ全員が感染しているEBウイルス
では、このEBウイルスとは何者か?
EBウイルスは、水ぼうそうの原因などになるヘルペスウイルス の一種。
唾液に含まれており、主に食べ物の口移しやキスなどを
通じて感染が広がります。
でも通常は、風邪のような症状で終わることが多いです。
しかし、まれに
『慢性活動性EBウイルス感染症(CAEBV)』
というのを発症してしまうと、
悪性リンパ腫(血液中のがん)や間質性肺炎(肺の組織が硬くなる)
など命に関わる重い病気を引き起こす恐れがあります。
また、肝炎や蚊に刺された跡がひどく水ぶくれになる
蚊アレルギーなども起こる事があります。
治療法は、
① 炎症を抑えるステロイド(副腎皮質ホルモン)薬
② 感染した免疫細胞を死滅させる抗がん剤
③ 新たな血液や免疫細胞を作るために骨髄や末梢血などを使った造血幹細胞移植
が挙げられます。
さて、この慢性活動性EBウイルス感染症(CAEBV)は、
どのように発症するのか?
通常、白血球中の免疫細胞の一つであるB細胞というものに
感染するのだが、このウイルスは完全に死滅せず、中に潜み続けるといいます。
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しかし、免疫力の低下など、何らかのきっかけで、
ウイルスが同じ免疫細胞のT細胞やNK細胞というものに
感染してしまうと、免疫の監視をくぐり抜けて、感染した細胞が徐々に増殖。
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結果、血液とともに全身に広がり、
さまざまな上記のような病気を引き起こします
CAEBVには未解明の部分も多く、厚生労働省研究班は、
今年中に診療指針を作成する計画だそうなので、注目であります。