殺虫剤の侵入経路
こんばんは。
本日は、昆虫が殺虫剤を取りこむ経路についてお話します。
昆虫と考えると、少し難しく感じると思いますので、
私たち人間の場合で考えてみましょう。
① 殺虫剤が口から入る場合
これは経路が口ということで、経口と呼びます。
私たち人間も、何らかのアクシデントで、
間違って食べてはいけないものが侵入するケースがあります。
ゴキブリやネズミでいうと毒ダンゴです。
私たちの体は、異物が侵入した際に、
『吐きなさい』
と脳が命令してくれますが、虫やネズミなどは食べたら排出できません。
接触毒性のある 粉剤や残留性のある有機リン剤 がそうです。
昆虫は私たち人間のようにお風呂に入らない代わりに
体に付着したものを舐めて綺麗にするグルーミングと
呼ばれる行動をします。その時に、口へ入るのです。
そして私たちが飲むカプセル薬。
これは殺虫剤ではマイクロカプセル剤(MC剤)と呼ばれるものです。
食べた時にカプセル剤が割れ、中に閉じ込めてあった薬剤成分が出るといったしくみです。
私たち人間には粉にしか見えませんが、
虫たちにはボールがたくさん転がっているように見えるのでしょう。
② 殺虫剤が皮膚から入る場合
これは経路が皮膚ということで、経皮と呼びます。
私たち人間も、強い薬品に触れたら皮膚が荒れますよね。
又、筋肉痛などの時には塗り薬を浸透させたりします。これと同じ経路です。
人間の体には治癒能力がありますが、虫にはありません。
ヤケドしたらしっぱなしです。
昆虫の体表である ワックス層・セメント層
と呼ばれるものを溶かして薬剤が侵入します。
有機リン剤などの残効性の高いタイプが多いです。
又、ムカデはお腹が裸状態なので、
吸着性のある粉剤が大の苦手になります。
③ 殺虫剤が気門から入る場合
これは経路が気門ということで、経気門と呼びます。
昆虫が呼吸する場所は、私たち人間でいう「鼻・口」と違い、
気門と呼ばれる箇所から呼吸します。
人間の例では、毒ガス。地下鉄サリン事件などがいい例です。
昆虫にとっては、アースレッドなどの空間に噴霧される場合です。
これは、ピレスロイド系の殺虫剤など速効性のあるタイプが多いです。
以上の3ルート(経口・経皮・経気門)が侵入経路となります。
プロの方々は、
殺虫剤の性質・資機材の使用法・対象害虫の生態・人や自然環境など
さまざまな事に配慮して、適した方法で駆除を行っているのです。
困った際には、プロ業者さんに知恵を借りましょう。